
Voicing / No5th
今日は、Voicing(ヴォイシング)について話したいと思います。
前回ブログの最後に、例えば「C△13」というコードが指示されていた場合、全てのコードトーンを弾かないといけない訳ではないという話をしましたが、この意味はヴォイシングにも繋がってきます。
では、ヴォイシングってなに?ってことですが、ヴォイシングとは簡単に言うと「音の並べ方」です。
コードトーンをどのように配置するかで、同じコードでもニュアンスが変わってくるんです。しかもコードに9thや11th、13thなどのテンションが加わってくると音を一度にたくさん鳴らさないといけなくなります、このような場合にヴォイシングという考え方が必要になってくるんですね。ちなみに、以前お話した4和音のインバージョン。
1stインバージョンや2ndインバージョン、3rdインバージョンやDrop2やDrop3、Drop2+4なども実はヴォイシングのひとつなんです。
では、ヴォイシングで最初に覚えてもらいたいヴォイシングがあります。
それは「No5」というヴォイシングの考え方です。
これは「ナンバーファイブ」と読んでしましそうですが「ノーファイブ」と読んでください。紛らわしい書き方するんじゃねーよ!と言われてしましそうですがノーファイブです(笑)
ノーファイブとは「コードトーンの5thの音を省く」という意味です。
コードの音を省いちゃっていいの?なんて事を言われそうですが、コードの5thの音はRootの音を後ろから押し出すようなサポートのお仕事をしています。ですので、コードの明るいや暗いなどのコードカラーにはまったく影響していないので、省いちゃっても特に影響は無いんですね!
だったら最初からいらないんじゃないの?って思ってしまう方もおられるかもしれないので、ちょっと5thについてお話ししておきましょう!
「5thのお仕事は後ろから押し出すような仕事」ということですが、押し出すということは「ズンズン前に進む」みたいなニュアンスに取れると思います。「ズンズン前に進む」音楽といえば「ロック」なんかがそうですよね。
ロックでは逆に「5th」を省いたノーファイブのヴォイシングを使いすぎるとなんか物足りない感じになってしまいます。もう一つ付け加えると、ロックなどでよく使うコードに「パワーコード」というものがあります、
これは、コードの「1」と「5」だけを演奏するコードで「3」の音を省いたコードになります、ギターなどでよく使われている演奏方法です。
ズンズン前に進むようなサウンドにするためにコードの「明るい」や「暗い」という要素を持つ「3」の音を省いて演奏します。
次にジャズなどのヴォイシングはほとんどノーファイブでコードを弾いています。5thの「ズンズン前に進む」押し出すような要素はジャズにはあまり必要ではないんですね。
こんな感じで5thを使ったり、使わなかったりする、状況に応じて音を鳴らさないっていうのもヴォイシングのひとつの考えとなります。
ではでは、この辺で・・・・。
次回はもう少し、ヴォイシングを掘り下げていきたいと思います。
Voicing